安来の自然でやすらぐ
世界の名園に行こう
足立美術館

一歩踏み入れるとそこには枯山水の大庭園と借景の山々が織り成す深淵な調和美の世界が広がっています。まるで自分さえも一幅の絵画の中にいるような快い錯覚を覚えます。ここにしかない 静寂と調和の宇宙が存在します。心洗われる究極のやすらぎを求め、珠玉の風雅へトリップしてみてはいかがでしょうか?


足立全康氏の夢の結晶

神々のふる里出雲の国安来市は、東に伯耆富士大山を仰ぎ、西に宍道湖を控え折々の風趣が楽しめる柔らかな自然に抱かれた地です。足立美術館は1970年に、この安来の地を愛した実業家の足立全康氏(1899~1990)が鷺の湯温泉(その昔、白鷺が足の傷を癒したことから、鷺の湯と名付けられた)に程近い自らの生地に創設しました。全康氏は裸一貫、炭俵を担ぎ売り歩く、木炭商として安来からスタートします。兵役後、単身大阪へ。繊維会社を創立し次々と成功を収め、財を成します。故郷の安来に日本一の庭園と日本絵画の美術館を建てるという若い頃からの夢に全精魂を注ぎます

口癖は、日本一ということは世界一

「日本一の庭を作るのが一生の仕事、日本一ということは世界一」これが生前の全康氏の口癖だったそうです。借景の山を含む5万坪の日本庭園と横山大観をはじめとした近代日本画の粋を集めた美術館は出来上がります。全康氏71歳のことでした。「やるからには他にはない徹底した庭作りによる日本庭園を目指す」という全康氏の夢の結晶が形となって現れています。

徹底した完璧な維持管理

米国の日本庭園専門誌『ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング』による庭園ランキングで、「16年連続日本一」に選ばれています。(2019年)その理由の一つは同誌で「神管理」と表現される程、年中無休365日1日も休むことなく、細部まで行き届いた維持管理が高く評価されています。

早朝から7人の専属の庭師さんがお客様の目線で庭園をゆっくりと周り、状態を確認するところから1日がスタートするそうです。その後職員全員で庭園内のすべての白砂が穏やかな海になるよう竹箒で丁寧に掃き清め,お客様を迎えているそうです。また冬が終わる頃には雨や雪で白砂が汚れるため、庭師さんが新たに購入した砂を綺麗に洗い補充するという徹底ぶり、フランスの旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」では三つ星(わざわざ旅行する価値がある)の評価を受けています。

庭園もまた一幅の絵画である

創設者足立全康氏は「庭園もまた一幅の絵画である」という言葉を遺しています。横山大観をはじめとした巨匠たちの名画の感銘を深めるすがら、理想の庭園を思い描き、それぞれが一つの絵画であるかのように庭園を表現しています。足立美術館の庭園は場所によってすべて違う趣とまた四季折々のさまざまな表情があります。借景の自然の山々との調和はまさに生きた日本画といえるのではないでしょうか 

枯山水庭 

足立美術館の主庭。水を用いず山水の趣を表現した庭園。
岩と白砂を用いて水の流れを表現。中央の大きな岩(岡山県新見市小坂部川の川石を使用)が山を表し、そこから流れる滝水が渓流となり、水面をイメージする白砂へとそそぐ。この岩が雨に濡れると黒く輝きとても綺麗とのこと。

白砂青松庭

横山大観の名作「白沙青松」をイメージして作られた庭園
海岸の砂浜をイメージした白砂に、大小の青松がリズミカルに配置されている。

白沙青松 横山大観

横山大観「白沙青松」(昭和12年)足立美術館所蔵

亀鶴の滝

横山大観の「那智乃瀧」をイメージして作られた滝。

苔庭

柔らかな苔の曲線が美しい、杉苔を主体とした京風な雅な庭園

池庭

水面に映る光と影が、見る人のこころにやすらぎを与えてくれます。

時が止まる 至福の一服

足立美術館には2つの喫茶室「翆」と「大観」そして茶室「寿楽庵」があります。喧騒を離れ名園と名画を一日かけてゆったり楽しみながら、喫茶室で暖かい珈琲でホットくつろぐ、そんな至福の時間もまた足立美術館の魅力の一つです。「喫茶室 翆」から主庭の枯山水庭を望み、絶景借景の霧雲湧く山並みを見ていると、まるで名園をひとり占めにしたような、時間がピタッと止まってしまったような、ふっと気がつくと枯山水庭という一幅の絵画の中に自分が入り込んでしまったかのような、そんな快い錯覚が訪れます。それは、ここでしか味わえない庭園の静寂、そして閑雅な風情が織り成す究極な調和美のなせるわざではないでしょうか。

DATA

足立美術館

島根県安来市古川町320
TEL / 0854-28-7111
営業時間 / 9:00~17:30(4月~9月)9:00~17:00(10月~3月)
定休日 / 年中無休
アクセス / 安来駅より車で15分
イエローバス「鷺の湯温泉前」下車徒歩2分
米子鬼太郎空港より車で45分
出雲縁結び空港より車で50分
駐車場 / 無料駐車場完備(大型バス駐車可)
HP / http://www.adachi-museum.or.jp/