今も伝統工芸の灯のが消えることなく続いている安来。
自分らしいものづくりに取り組む人の思いは、あなたの心をやさしく照らします。

自分も喜ぶものものづくりで、枠にとらわれない藍染めの新境地へ
島根県安来市広瀬町に明治3年から続く藍染めの老舗天野紺屋があります。
現在は5代目の天野尚さんが伝統を継承し、染めを担当。糸染め紺屋を147年続けてきましたが、新たに布染めにも取り組んでいます。

天野さんは染物を学ぶため京都の短大に進学。染めの基礎を学び、卒業後すぐにふるさとで藍染めの世界に身を投じました。ところが半年後に師である祖父が病で倒れ、現場で指導を受けることができず、いきなり苦境に立たされます。
「藍液は、液の状態を見極める管理が難しく、5年はいい色が出せないダークサイドに落ちそうな日々を過ごしていました」

そんな天野さんですが、染められるようになったのは自分の考え方が変わったからだと言います。
「僕は藍液をすっと道具として扱っていたんです。ある時から液の中で微生物が元気に頑張ってくれているおかげで染まることに気がつきました。ありがたいという感覚になってからは、藍液が応えてくれるようになったと思います」


自分も使いたいと思えるものづくりをモットーに、染めとデザインに色を足して、自分がワクワクするテキスタイルに挑戦するのが目標だと言います。デザインしたものをお客さんが受け入れたときの喜びは、エアーでハグされているような感覚という天野さん。そんな機会が、これからますます増えていきそうです。
天野さんが直伝してくれる「藍染教室」

(2名から要予約・10時~12時・2000円〜、持ち込みで染めの希望の場合100g1200円〜)


DATA
天野紺屋
島根県安来市広瀬町広瀬968
TEL / 0854-32-3384
営業時間 / 10:00~18;00
定休日 / 不定休
アクセス / JR安来駅よりタクシー
駐車場 / あり
HP / https://www.amanokouya.com/